プランを出す前から契約が決まることも・・!お客様とつながっている感覚があります。【袴田孝枝さんのプロフィール】静岡県浜松市において、夫の袴田勇二さんが代表をつとめる地域密着型の住宅工務店、有限会社エコーアートの専務取締役。「主婦の目からみた家づくり」を テーマに3冊の小冊子を執筆。男性ばかりの業界にあって、家を建てるご夫婦のアドバイザーとして、特に奥様方から絶大なる信頼を得ている。
むらかみ 地域密着型、注文住宅の工務店さんである有限会社エコーアートの専務取締役、袴田孝枝さんにお話を伺います。袴田さまはこれまでに、ご自身の力で、なんと3冊も!小冊子をお書きになりました。1冊を書き上げるだけで相当なご苦労があると思うのですが、なぜそこまで小冊子にこだわるのか、袴田さまが考える 小冊子というツールの魅力について、お話をお聞かせ願おうと思います。
まず、最初の小冊子を作成なさったのは、2004年夏のことでしたね。その当時、小冊子を作成しようと思ったきっかけについて、教えていただけますか。
袴田さま はい、小冊子というマーケティングツールの存在は、神田昌典先生の書籍や教材を通して知りました。
当社は住宅という、お客様にとって一生に一度あるかないかの大きな決断となる商品を扱っています。契約するまでに長い方では3〜5年という時間がかかりま すし、最低でも数ヶ月間は「どこの業者に依頼しようか?」「本当に私でも家を建てられるのか?」「希望どおりの家が建てられるかなぁ」などと迷われること になります。本や雑誌を見ても判断基準がわからず、どの情報を信じていいかわからない。いってみれば、お客様はわからないことだらけの不安でいっぱいの状 態です。
そういう状態ですから、お客様には、当社が建てている家をおすすめする前に、まず私たちのことを知っていただく必要があると思いました。
まずはじめに私たちのことを知っていただき、信頼していただければ、商品についての話にも耳を傾けてくださる
と思ったんです。そのために、小冊子というツールが必要であると思いました。
むらかみ なるほど。つまり、袴田さまご夫婦の考えや家づくりに対する姿勢を知っていただくために、小冊子を活用しようと思ったんですね。その結果、いかがでしたか。
袴田さま 正直なところ、1冊目の小冊子では、あんまり期待していたほどの反応はありませんでした。地元のコミュニティ情報誌に広告を出したりしながら、小冊子請求 者を集めてはいたんですが、なかなか目に見えた結果にはつながりませんでした。また私自身も、自分で書いておきながら、小冊子の内容がいまいちしっくりこ なくて・・・ このままでいいのかなぁとモヤモヤした悩みを抱えていました。
むらかみ 1冊目の小冊子はどのような内容で、どのようにして作成したのでしょうか。
袴田さま 1冊目の小冊子は住宅の構造について書いたものでした。その当時は、シックハウス症候群という住宅によるアレルギー問題が社会問題化したときでしたので、「どんなことに気をつければ、安全で快適な家を建てられるか」という、少しカタい内容で書きました。
作成するにあたっては、そのときにお世話になっていた経営コンサルタントの先生に原稿を読んでいただき、何度かアドバイスをうけて、校正を繰り返し、完成させました。今思うと、内容が少し専門的すぎて、初めて家を建てる方には少しとっつきにくい印象があったのかもしれません。また、私たちの考えや家づくりに対する姿勢については思うように表現できていなかった気がしています。
むらかみ それで、2冊目の小冊子を作成しようとお思いになったんですね。
袴田さま はい、そうなんです。たまたま知り合いを通してあらがみさんの存在を知り、最初に書いた1冊目の小冊子を読んでもらったところ、私と同じように、「少し内容が難しい」「袴田さまの人柄があまり感じられない」と言われまして・・・ そのとき、作成にあたって覚えておかなければならない基本事項についてアドバイスしていただいたので、それを意識しながら、2冊目の執筆にとりかかりました。
むらかみ はい、袴田さまの場合、家を建てるお客様、特に女性、主婦と同じ立場であるという圧倒的な強みがありますから、あまり専門的な情報は盛り込まず、主婦の目 線で「これから家づくりをはじめるお客様、中でも奥様の強い味方になりますよ」とアピールするのがよいですよ、とお話しさせていただきましたね。
袴田さま はい、そのアドバイスを元に、2冊目の小冊子(奥様の家づくり)、3冊目の小冊子(ご夫婦の家づくり)を書きました。お客様はいろんなタイプの方がいらっしゃいますから、人によって反応はさまざまです。たとえば笑顔で感想をおっしゃってくださる方もいれば、あえて何もおっしゃらない方もいます。でも、たとえ何もおっしゃらなくても、これらの小冊子をお読みくださったお客様とは、目に見えない糸で結ばれている感覚があります。小冊子をお読みいただく前と後では、お客様との距離感が違うんです。こちらの話を「スッ〜」と聞いてくださるといいますか、「あ、信頼してくださっているんだな」「リラックスして話を聞いてくださっているんだな」といういい雰囲気を感じています。受注も好調で、中にはプランも見積書も作成する前から、「お宅にお願いするから!」といってくださった方もいるんですよ。
むらかみ それはすごいですね! それは小冊子だけでなく、小冊子を中心としたマーケティングがうまく機能しているからにちがいありませんね。
わたしはよく存じているので申し上げますが、袴田さまは非常に筆まめな方で、小冊子を送付する際に添えるお手紙はもちろん、季節のハガキやニュースレター に添える一筆箋など、どれも決して前に出すぎず、しつこすぎず、ふと振り向くと隣でそっと見守っていてくださる・・・ 背中をすっと押してくださる・・・  いつもそんなやさしさを感じています。それがお客様にも伝わるんでしょうね。
袴田さま お客様と信頼関係を築くのって、本当に大変だと思うんです。特に住宅のような一生を左右する商品ともなれば、お客様も真剣に勉強なさっています。小冊子さえあればいいなんて、そんなふうには思いません。ただ、当社の場合、お客様との信頼関係を築いていく過程において、小冊子がその最初のポイント稼ぎ(笑)として、ものすごく大きな効果を発揮してくれているのは事実です。正直、今となっては、「小冊子がなかった頃はどうやって受注していたんだろう・・・」と疑問に感じることさえありますから(笑)。
インタビューを終えて
むらかみかずこ 住宅のように、購入するまでにお客様の不安や悩みが大きい業種において、小冊子は特にその力を発揮します。建てている家が良いからにちがいありませんが、プランを出す前から契約してほしいだなんてすごいです!
高額商品だからこそ、まずは小冊子によって仕事に込める想いや人柄を伝え、信頼関係を築かねばなりません。その信頼の結果として、受注拡大につなげている点が、本当にすばらしい成功事例だと思います。

袴田さんからいただいたお声
袴田さん 私の場合、書き手も女性、読み手も女性ということで理解が得られやすい反面、イヤなところがあるとそれ以上読みすすめてくださらないのではないかという不安がありました。女性の目は厳しいもの。好き嫌いの判断も早いですね。そのような状況の中で、あらがみさんはさりげなく読み手に好感をもっていただけるよ うに、随所で工夫してくださいました。
装丁、字配り、挿絵全体の雰囲気・・どれをとっても大満足です。おかげさまで多くのお客様の共感を得ることができ、受注拡大につながっております。ありがとうございました。


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